| 選鉱・精錬 |
地山の鉱脈鉱石を直接採掘利用するようになったのは、戦国時代だそうです。南蛮人から「灰吹法」という技術がもたらされたのです(朝鮮渡来説もあります)。別項で金鉱脈は銀と混じり合った銀黒の形態をとることが多いと述べましたが、炉の中に鉱石と鉛・硫黄を加えて加熱、浮かんできた硫化銀に束ねたワラで水をかけます。できた薄い皮を鉄の板ではがして硫黄を加えて溶かすという作業を繰り返して純金を得るのです。「灰吹法」は時代と共に進歩しましたので、いろいろな方法があります。なお、飛鳥池遺跡調査によれば、鉛を使う灰吹法と水銀を使う混汞法(アマルガム法)は共に7世紀後半には既に日本に導入されていたそうです。
§ 参考文献
§ 参考サイト
- 平尾良光(2012), 鉛同位体比から見た日本の戦国時代における鉛の流通. 2012年度日本地球化学会第59回年会講演要旨集, p.327.
- 村上 隆(2007), 古代の金・銀精錬を考える―飛鳥池遺跡の事例を中心に―. 奈良文化財研究所紀要, Vol.2007, p.30-31.
- 佐藤孝裕(1997), 環境破壊と文明の衰亡. 別府大学短期大学部紀要, No.16, p.43-54.
- 安田喜憲・川西宏幸編(1994), 文明と環境Ⅰ 古代文明と環境. 思文閣出版.
- (), . , Vol., No., p..
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§ 参考サイト
- 古代の純金・純銀の精錬技術を再現(YouTube)
- 金製錬(錬金術の館)
- 金山での作業|灰吹(はいふき)(甲斐黄金村・湯之奥金山博物館)